京都民間教育研究団体連絡協議会が抗議声明を発表(2024.3.6)
- まほろば
- 2024年3月7日
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3月6日、京都民間教育研究団体連絡協議会サークル代表者会は、大学学長、附属小校長宛てに以下の抗議声明を発表しました。
紹介させていただきます。
奈良教育大学 学長
奈良教育大学付属小学校 校長
2024年3月6日
奈良教育大学附属小学校の「みんなのねがいでつくる学校」づくりの教育実践が学習指導要領に照らして「不適切」とされ、附属小教員19名が全員他校へ「出向」させられることに反対し抗議する。 |
抗議声明
京都民間教育研究団体連絡協議会 サークル代表者会
⑴ わたしたちは、学習指導要領の記述は「基準」であって、児童の発達の状況や地域の状況によつて各学校がこれを受けとめ編成し実施するものだと考える。
盛山文科相も学習指導要領について次のように答えている。(2023.12.31『教育新聞』)
「(学習指導要領が)追加、追加でどんどん増えていくだけなら、限られた授業の時間で全部教えるのは無理だろう。そうすると、今まで丁寧にやっていたものを軽くしたり、場合によってはなくしたりすることも必要になる。また、文科省はベースとなるものを学習指導要領としてお示ししているだけだ。実際には学校の先生や教育委員会の判断になる」
⑵ わたしたちは、すべての子どもたちに確かで豊かな学力をつけるために、教科書以外にも新しい教材や新しい指導法をプリントなどで採り入れる。そのことで新しい教科書、新しい教育課程、新しい指導法が開発されるものと考える。
⑶ わたしたちは、子どもの発達の状況やねがいに応え、創意と工夫を重ねた授業づくりをすすめる。
⑷ わたしたちは、自らの教育実践を学び直す場として、奈良教育大学附属小の実践に多くを学び感銘を受けてきた。「みんなのねがいでつくる学校」づくりの教育実践が不当に攻撃されることは許されない。
⑸ わたしたちは、附属小学校教員に対する、学長の「大学が独自採用している教員を3年かけて全員ほかの学校へ出向させる」という方針に反対する。「出向」は実質的な処分であり、付属小の教育と教員たちに寄せる子どもや保護者の厚い信頼を踏みにじるものである。
⑹ わたしたちは、ILO / UNESCO「教員の地位に関する勧告」が尊重されるよう求める。
(1966 年9月21 日-10 月5 日 ユネスコにおける特別政府間会議で採択)
【8 教員の権利と責任】
《職業上の自由》
61 教育職は専門職としての職務の遂行にあたって学問上の自由を享受すべきである。教員は生徒に最も適した教材および方法を判断するための格別の資格を認められたものであるから、承認された計画の枠内で、教育当局の援助を受けて教材の選択と採用、教科書の選択、教育方法の採用などについて不可欠な役割を与えられるべきである。
62 教員と教員団体は、新しい課程、新しい教科書、新しい教具の開発に参加しなければならない。
63 一切の視学、あるいは監督制度は、教員がその職業上の任務を果たすのを励まし、援助するよう
に計画されるものでなければならず、教員の自由、創造性、責任感をそこなうようなものであってはならない。
以上 抗議する。