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児童言語研究会が声明発表(2024.4.2)

3月31日、児童言語研究会常任委員会が以下の声明を発表されました。


教育課程編成の自由を保障し、子どもに寄り添った教育を求めます


 私たちは、教育への不当な介入と教育の管理統制を強める奈良教育大学附属小学校を巡る動きに抗議します。


 2024年1月17日に奈良教育大学は学長名で「奈良教育大学附属小学校の教育課程に関する不適切事案のお詫び及び報告書について」と題する文書を発表(1月9日付)しました。そこでは「令和5年5月に同大学附属小学校において教育課程の実施等に関し法令違反を含む不適切な事案がある旨、奈良県教育委員会から連絡があり」調査を行ったこと、中間まとめを行った10月に奈良教育大学学長・副学長らが文科省に出頭したこと、その後追加調査を行い報告書が作成されたことが書かれています。報告書で「明らかになった不適切事項は、学習指導要領に示されている内容の実施不足(授業時数・履修年次・評価の実施不足等)、教科書の未使用等です」とし、児童・保護者、国民の「信頼を裏切ることに」なったと謝罪しました。


 また、同日に同附属小校長名での発表があり「毛筆指導、道徳、外国語などが不十分であることや、職員会議の決定権が強く校長の権限を制約していることなど」の問題点を挙げ「その改善を図ることが出来」なかったと謝罪しています。同じく17日産経新聞に「国立大付属小必修指導せず 君が代・習字指導なし」との報道がされ「検定教科書を使わないなど、法令に違反する教育が長期間にわたって行われていたことが16日」に分かったとし「一部の教員に対し学校長の監督権限が機能しない状況が常態化していた」「一部の教員が実権をにぎる」「独善的な授業」などとの報道がなされました。


 1月19日に、文部科学省は附属学校を設置する国立大学法人に対し今年度中の「適切な教育課程の編成・実施」の点検を求める通知を出しました。その通知では「教員のコンプライアンスの欠如」学校管理の「機能不全」「教員人事の閉鎖性」等が確認されており、教科書の使用や校長による意思決定、職員会議の運用、主任制度の適切なマネジメントなどが点検項目の参考として挙げられています。


 さらに、2月29日には大学から「研鑽を積む」ためとして付属小採用正規教員を県内の公立校などへ「出向」させる方針が出され、実質的な処分であり、子どもたちの混乱と不安を生むような強制的出向を行わないよう求める教職員と学長との話し合いが持たれ、保護者や在校生による学校長への働きかけも行われてきましたが、方針は変わっていません。


 問題視されたことは「学習指導要領に則っているか」「職員会議の運用は適切か」ということです。


 学習指導要領は、細部にわたって教育課程や教育実践を規定するものではなく大綱的基準であり、最終的な教育課程の編成権は各学校にあります。「各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね、長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、児童や地域の現状や課題を捉え、家庭や地域社会と協力して」いくことが指導要領に謳われています。報告書で検定教科書の関連書で示された参考指導時数との比較で記述されますが、その指導時数は一つの案でしかありません。


 また、奈良教育大学附属小学校の教育実践は「みんなの願いでつくる学校」として知られ、創意工夫された自主的な教育課程づくりと民主的な学校運営がなされてきていました。同附属小では教職員全体で対話しながら教育研究と実践を進めてきました。その成果は、小谷隆男校長自ら「本校の教員は子どもに対して実に丁寧に きめ細かく指導していたことは間違いなく、驚くほど前向きに自分の言葉で話せる児童が多いことも事実です」と1月17日報告書に書かれています。


 そもそも教育系大学の附属学校は、公立学校には難しい実験的・先導的な教育をつくるための「モデル校」です。子どもたちが何をどう学んでいくのか、教師がどんな教材を選びどのような授業の進め方を工夫をしているかなどを奈良教育大学附属小も公開研究会や書籍などでその研究実践を広く公開し、大学側の求める「開かれた学校」であろうとしてきました。


 今回の報告書や通知、大学側の教員に対する対応、一部の新聞による報道等により教育現場の教育課程編成や教育実践が委縮し、子どもの実態や思いに目を向けた創造的な教育と学校づくりが阻害されることを危惧します。子どもたちの豊かな学びを願う私たちは、今回の文科省の対応や大学及び付属小学校の教育管理と人事異動方針に抗議し、教職員や保護者、児童との話し合いによる全面的な解決を求めます。

                                 2024年3月31日

                             児童言語研究会常任委員会

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