3月2日に開催された第72回奈良県教職員組合定期大会において、以下のような特別決議が採択されたようです。
奈良県教職員組合の了承を得て、ここに掲載いたします。
奈良教育大学は、附小の教員の強制出向の方針を撤回し、
子どもと教育を守る立場に立つことを強く求めます
奈良教育大学附属小学校の先生方に、大学当局から本人の意思を無視した強制出向の攻撃がかけられています。
職場の教職員の一致した闘いやPTA保護者有志による署名活動によって当初の「3年で全員を出向させる」という方針は撤回したものの、「2年で10人程度出向させる」と引き続き強硬な姿勢を示しています。
昨日の大学のHPに掲載された「奈良教育大学附属小学校教員の人事交流について 」の文書では、「開かれた学校、開かれた教育課程、多様性と包括性を実現させるべく奈良県内の公立学校及び奈良女子大学附属学校との教員人事交流を実施する」、「出向として他校等で研鑽を積むことを目的とするもので今回の事案に係る処分ではない」としています。
しかし、教員の研修や研鑽は自らの教育計画や自発的な意思にもとづき行われるべきものであり、強制的に出向させることは先生方の教育への意欲を削ぐこととなり、教育を無視した不当な人事交流であると言わざるを得ません。
また、「人事交流の人員規模は、本校の教員全体の年齢・教科等のバランスや回復措置への支援、及び他校等から受け入れる教員数との調整等を考慮して決定する」「3年間で現在の専任教員がすべて不在になる異動は行いません」としながらも、「2年で10人程度」という方針は明らかにせず、強硬な異動方針を覆い隠しています。
奈教組は、この強制出向は教育課程や指導方法に問題があるかのようなマスコミ報道を利用し、附小の積み上げてきた民主教育とそれを創り上げてきた教職員集団にかけられた攻撃であり、この強制出向を行うことで民主的な附小の職場を破壊し、管理統制を強めることにねらいがあると考えています。
奈良女子大学との統合によってできた奈良国立大学機構は、全国の国立大学と同様に数値目標にもとづく成果主義のもと国・文科省からの予算配分が行われ、教育の自主性や大学の独自性が損なわれる状況となってきています。
さらに、そのような中で附属学校の小中一貫教育などの独自の組織改革を推進しようとする大学当局にとって、奈良教育大学の附属学校の職場や教職員集団が大きな障壁になるという中でのかけられた攻撃だと捉えています。
奈教組は、附属学校の先生方と連携し、奈良県の子どもと教育を守るためにこれからも取り組む決意です。
わたしたち奈教組は大学当局に対して、「4月からの子どもたちのくらしを守る」ことを目的とし、「子どもたちが安心してこれからも学びを積み上げられるように強硬な異動措置には断固反対します」という署名に託された切実なPTA・保護者の願いに応え、教員の強制出向の方針を撤回し、子どもと教育を守る立場に立つことを強く求めるものです。
以上、決議します。
2024年 3月2日
第72回奈教組定期大会