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日本教育法学会研究会(2024.3.23)

更新日:3月25日

3月23日、奈良教育大学附属小問題をテーマにした初めての学術的な研究会として、日本教育法学会研究会が龍谷大学にて行われました。


附属小教員2名が「奈良教育大附属小学校で起きていること」と題した報告の後、コメンテーター植田健男先生(花園大)がコメントされました。


討論での発言のいくつかを要約して紹介させていただきます。


日本教育法学会は、教育権のありかたを研究、議論、裁判されてこられた教育学研究者、教育法学者、弁護士らの学会で、これらの専門家の意見だけに、重要な意味をもちます。


〇 大学の報告書は、「教育課程の実施の事案について」不適切と指摘しているが、教育課程編成についてではない。教育課程とは、教科ごとの教育内容だけではなく教育全般にわたり地域や子どもの実態に応じて学校全体で創り上げる教育計画である。学習指導要領は「教育課程の基準」である。それなのに、教育課程=学習指導要領ととらえて、それをものさしにずれているかどうかを測り、その責任を教員に追及するのはまちがっている。


〇 文科省自身も、学習指導要領体制ともいえる教育実践における拘束性と、高度成長期以来の教育内容について見直し、再定義して改訂しようとしているのにも関わらず、それに逆行する動きと言わざるを得ない。


〇 附属校は、特例でなくても実験的教育実践を行うことが求められており、文科省に申請せずともそれが附属校の役割のはず。


〇 今回の人事の手続き、規模、教育実践を継続できなくするものであることは違法性がある。


〇 一部マスコミと大学記者会見による「法令違反」という言葉は、事実に基づかないミスリードであり、言葉が独り歩きしてしまっており、学術的な検証が必要だ。


〇 調査報告書の中には、教員たちの意見が書かれていない。独自な教育実践には、積極的な教育的理由があったはずだ。


〇 大学の運営規約を読んだが、学長が附属校の教育内容や人事について指示したりする権限はないはずだ。それなのに、学長名で文書が発表されているは不当な支配にあたるのではないか。


〇 調査の仕方、大学の記者会見などは一方的で、学内で自主的に検証できる・すべきものを複雑化させているように感じる。県や文科省からの圧力がかかっているのか。


〇 学長がやっていることは、附属校を破壊するもの。学長は、圧力に対し不当な支配を疑うべきだった。そして、大学と附属校を守る義務があったはずなのにもかかわらず、それに乗ってしまっているのは義務違反だといえる。報告にあったようなパワハラ、調査報告のための過重労働、欠員を生じさせるような人事異動は、法人の義務違反ではないか。





挨拶される安達和志会長(神奈川大学)




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教育法学会の発言記録を読みました。奈良教育大学が、文科省の意向に沿ってか、附属小学校の教育への「不当な支配」に乗り出していると受け止めざるを得ません。同時に、教員への「出向」の強要は、事実上の懲罰であると共に、長年の研鑽が不可欠な「教職の専門性」を、他ならぬ教育大学自身が否定するものと考えました。


大学当局が「出向」を迫る理由として繰り返す「開かれた学校」について、私は先の投稿で、その名の下で都立高校では、教職員による学校自治の解体=教育行政による学校支配と、同時に企業への市場開放が図られてきたと述べました。つまり「日の丸・君が代」の徹底した強制を手段とした「権力と資本に対して開かれた学校」への転換です。「教職の専門性」はこの転換を妨げるものであり、むしろ不要です。教育行政の意向に沿って、デジタル化を利用しつつ、いつでも誰でも担当できるようなものに、教育課程が再編成されつつあるのではないでしょうか。非正規雇用教員などの増加や、様々な場面での企業への委託が広がっていくのもその現われです。


その波が、「教職の専門性」を極める総本山のような役割を果たしてきた国立教育大学の附属学校にまで及んできたのではないか、奈良教育大付属小学校で積み重ねられてきた実践に触れて、このように思いました。

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