朝日新聞奈良版が、奈良教育大学附属小の問題についての連載(中)「公教育のモデルつくるつもりが『法令違反』 奈教大付小教員の嘆き」を掲載しました。
朝日新聞デジタルで全文が読めます。
一部を抜粋して紹介させていただきます。
大学側は、授業時間が不足した項目については補習の実施などを命じる一方で、教員の出向方針を打ち出した。
当初は「3年で全員異動」との方針を示したが、教員の反発もあり、「2年で半数程度」に後退。今年度は4人の出向・配置転換が決まった。県から人事交流で来ていた教員の帰任や単年度教員の退職もあり、教職員約50人のうち26人が同校を去ると3月の終業式で発表された。
出向する女性教員は「犠牲になるのは子どもたちだ」と心配する。同校の教育の根っこには「一人の人間の成長を信じて、待つこと」があるという。
授業中の立ち歩きや私語をする子どもを頭ごなしに叱りつけることはしない。「困った子は困っている子。その子の背景をとらえ、育ちを支えよう」との思いを同僚と共有してきた。6年間を通じて育ちを見守れるからこその指導だ。
女性はかつて地元の公立小で教員をしていた時は「言うことを聞かせることが教員の力量」と思っていた。だが、付属小に赴任して「子どもが自分でつかみとる過程を支えるのが教員の仕事だ」と子どもたちから教わったという。
しかし、教員が今後も次々出向することが見込まれ、6年間の育ちを見守ることは難しくなる。女性は「これまでのような接し方はできなくなるのでは」と心配する。