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教育研究者有志が緊急声明(2024.3.4)

更新日:3月5日

教育課程の創造的実践を通じたゆたかな教育の実現をめざす教育研究者有志は、3月4日、以下の緊急声明を発表しました。



〇教育課程の創造的実践を通じたゆたかな教育の実現を求めます(緊急声明)

ー奈良教育大学附属小学校に対する報告書をふまえてー



 教育課程の編成を行う主体は学校です。学習指導要領は、細部にわたって教育課程や教育実践を規定するものではなく、大綱的基準です。「各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね、長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら、児童や地域の現状や課題を捉え、家庭や地域社会と協力して、学習指導要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくこと」が重要です。これらは学習指導要領に明記されています。

 こうしたことをふまえて、国立大学附属学校には、実験的・先導的な学校教育を行うことが期待されています(国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議資料、2016年12月5日付)。


 2024年1月に、奈良教育大学附属小学校の授業が不適切・法令違反ではないかという報道がなされ、国立大学法人奈良国立大学機構奈良教育大学より「奈良教育大学附属小学校における教育課程の実施等の事案に係る報告書」(2024年1月9日付、同年1月17日公表)(以下報告書と略)が出され、文部科学省が附属学校を設置する国立大学法人に対して、今年度中の確認・点検等を要請する通知を出しました(2024年1月19日)。


 報告書では、検定教科書関連書に基づく参考指導時数と比較した記述がされています。検定教科書は学習指導要領に基づいて編纂されたものですが、そこでの指導時数はあくまで一つの案です。学習指導要領そのものに基づいて、奈良教育大学附属小学校の教育課程を分析した場合に、報告書からわかる範囲でも、「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」「児童や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと」等、学習指導要領に示された観点から、積極的な評価ができる点を多く有していると考えられます。不適切・法令違反とまで言えるかどうかについては、教育法等の観点も含めた学問的な検討が必要です。


 不確定性が高い営みである教育に、試行錯誤は不可欠です。だからこそ、とりわけ附属学校では、教師が積極的に研究を行ってきました。その過程には、多くの研究者も関わってきました。その中で学校が主体となって編成する教育課程は、ゆたかな教育を実現する基盤をなしています。


 私たちは、学校における教育課程の創造的実践を前進させ、多様な子どもたちにあった、よりゆたかな教育をしたいという学校・教師の創意工夫を支援する政策、制度、行政を望みます。


 奈良教育大学附属小学校でも、また同校に限らず全国の学校・教師たちも、安心して教育課程編成に取り組むことができ、子どもたちのための学校づくりができるよう、国立大学法人の運営および地方教育行政を所掌する関係者に、冷静な議論・判断を求めます。 

2024年3月4日

教育課程の創造的実践を通じたゆたかな教育の実現をめざす教育研究者有志

<参考>(すべて2024年2月24日アクセス確認)

1)2017・2018・2019年改訂学習指導要領(本文、解説)

2)国立教員養成大学・学部、大学院、附属学校の改革に関する有識者会議資料(2016年12月5日付)

3)国立大学法人奈良国立大学機構奈良教育大学「奈良教育大学附属小学校における教育課程の実施等の事案に係る報告書」(2024年1月9日付、同年1月17日公表)


呼びかけ人(順不同)(所属は緊急声明公開時のもの)


植田健男(名古屋大学名誉教授)

折出健二(愛知教育大学名誉教授)

鹿毛雅治(慶應義塾大学教授)

勝野正章(東京大学教授)

川地亜弥子(神戸大学准教授)

片岡洋子(千葉大学名誉教授)

小国喜弘(東京大学教授)

小玉重夫(東京大学教授)

子安潤(中部大学教授)

澤田稔(上智大学教授)

清水睦美(日本女子大学教授)

高橋哲 (大阪大学准教授)  

中嶋哲彦(愛知工業大学教授)

中村雅子(桜美林大学教授)

広田照幸(日本大学教授):

本田伊克(宮城教育大学教授) 

松下佳代(京都大学教授)





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