当方、図画工作教育の研究者です。
「奈良教育大学附属小学校における教育課程の実施等の事案に係る報告書」における図画工作科について
1.教科書の不使用
2.4学年以上の「造形遊び」の指導が不足
3.題材ごとの観点別評価が不適切
の3点が「不適切」とされています。
1.については図画工作科での指導法は、各教員・各学校の創意工夫が大切にされ、教科書が使われないことはわりと一般的です。
2.現状、全国の半数以上の小学校で高学年の「造形遊び」は実施されてないようです。
また「造形遊び」と題した活動をしていなくても、さまざまな造形活動に「造形遊び」の要素がふくまれています。
3.は、具体的に、どのようなことがなされていたのでしょうか。記されていないのでわかりません。
あと、学習指導要領は中学年において小刀を指導することとしています。そのことは調査されたのでしょうか。
現状では全国の大半の小学校で小刀の指導がされていないようです。つまり、学習指導要領に書かれたことをおこなわないことを不適切だとすると小刀の一点をみただけでも全国の大半の小学校が不適切となります。
上記のことから、報告書にける「不適切」の判断は、恣意的なものだと理解できます。
以上