私立高校の校長をしています。本校は教員15人、事務職員5人と私の21人全員で学校づくりをしています。職員会議が最高の意思決定機関として、入職して3ヶ月目であろうと定年前であろうと役職に就いていようとなかろうと、それぞれが21分の1の重さを感じながら、お互いを尊重し合いながら意見を尽くし確認し合いながら学校づくりをしてきました。
もちろん校長であっても21分の1の意見でしかありませんし、私の意見が通らないことも多々あります。特に子どもたちに関わることでは、校長よりも身近で子どもたちに関わり、悩み、どうしたらいいのか考え続けている教職員の意見や思いがたくさん語られ学校のありようを決めていけるということが自然なことだし、子どもたちのための学校だということになると考えています。
校長が大きな権限や管理体制を持たなければならないような学校もあるかもしれませんが、ガバナンスがしっかりしている学校が子どもたちのための学校になるということにはつながらないと思います。子どもたちの現実をつかもうと日々奮闘している教職員がのびのびと意見を出し合い、一緒に悩み子どもたちの最善の利益を保障できるなかまと学校を作り続けようと思える集団になっていくよう教職員を支えることが校長の大きな仕事なのだと思います。そういう組織では役職によって統制されるのではなく子どもたちのための学校をつくる一人ひとりとして尊重し合える関係性を自分たちで育んでいけるはずです。
奈教大附小の教職員集団はそのことを目指し、子どもたちにも教職員にもそういう関係性を育まれることを願い学校づくりをしてきたのだと思っています。子どもたちの実態や表情やどんな些細なことも感じ取ろうとしてきた教職員が、のびのび子どもの姿を語り、教育づくり、学校づくりをしていける環境を最大限保障されるよう強く願っています。