11月17日 私の勤務校から6名(20代4名、30代1名)と若手を中心に、附小の公開研究会に授業を観にいきました。公立の大変な教室と変わらない1年生の教室で(奈良教育大の附属小は、抽選による選考なので、テストで振るい落とされない学校です)子どもたちはスイミーを通して学び合っていました。
立ち歩いている子が先生からの注意もなくすっと自分の席に戻る瞬間があり、さっきまで後ろを向いていた子どもが「それはなー・・・」と話しだす。じっと教科書を見つめていた子が先生の板書の音でハッと顔をあげ、話しだす・・・その子どもの事実こそが、教育の唯一のエビデンスではないか。と思うのです。全国紙、テレビ放送で「不適切な指導」と詰られるような「指導」が本当に附小にあったというのでしょうか?
学習指導要領の文言とその解釈に当てはまらない教育計画とその計画に基づく指導は、調査委員会が事細かに重箱の隅をつつくようにして(・・・それが教員養成、教育学研究の最高学府・大学のすることか?と、個人の感想は置いといて)明らかにされた通りかもしれませんが、それは決して「不適切な指導」などと呼ばれる筋合いのものではないでしょう。不適切な指導というのは、直接的に子どもに対して、教師がどのように働きかけ、子どもがその指導を受けてどのような姿を見せたのかということにおいてのみ語られるべきではないでしょうか。
かつて北海道であったと言われるロケット人事、教育委員会の意に沿わない教師を、遠くの地へ異動させる攻撃だったと聞きます。今回の付属小の問題の一つは、意に沿わない教師を出向の名で、本務地でない公立小学校に移すことです。本人の意向に背いて研修の名で異動させる。このことは、全国の公立学校でもやってはならないことで、大学独自採用の教師を公立採用の教師同様に年数で切って動かし、本務地の学校を根無草の公立学校同様にすることとなります。
本当に研修目的なら、本人の納得がなくては研修になりません。この矛盾を是非当局に迫り、希望しない出向を是が非でも止めてください。それが公立学校の教師への励ましとなります。
頑張ってください。応援します。
元神奈川県立高校教員 宮田雅己