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奈良教育大附属小を守る会総会&附小裁判終結報告集会(2025.12.14)


12月13日(土)、奈良弁護士会館において、奈良教育大学附属小学校を守る会総会と附小裁判終結報告集会を行いました。


参加者は、会場参加者55名、オンライン参加者8名、計63名でした。


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奈良教育大附属小を守る会総会


1.開会あいさつ

奈良教育大附属小を守る会代表より、これまで市民集会や裁判支援を通じて方向性を確認してきた経緯に触れつつ、裁判が勝利的和解で終結したことを受け、正式な総会として今後の方針を定める必要があるとの趣旨が述べられました。


2.議長選出

運営委員会より議長が推薦され、拍手多数により承認されました。


3.運営委員会報告および議案提案(守る会事務局長)


(1)取り組みの成果

• 2025年4月、強制的に出向させられていた原告教員3名が附属小へ復帰しました。

• 新設部署へ配転されていた教頭も原職に復帰しました。

• 2025年8月、裁判が和解により終結しました。

 大学は「不正確な情報提供」および「精神的苦痛の発生」を認め、

 今後の人事において教職員の希望・健康状態を十分に考慮することを約束しました。


(2)取り組み経過

• 2024年2月23日に守る会を結成しました。

• 緊急署名7,444筆を集め、大学へ提出しました。

• 市民集会を4回、裁判傍聴・報告集会を6回開催しました。

• 会員は約350名となり、パンフレットを約2万部配布しました。

• カンパは約180万円、書籍は314冊販売されました。

• 全国から多様な支援が寄せられ、附属小問題は全国的な教育課題として共有されました。


(3)事件の争点と守る会の見解

• 「学習指導要領違反」との報道は誤りであり、附属小の実践は学習指導要領に学んだ創意工夫であると考えています。

• 大学、文科省による「法令違反」認定は恣意的で、国会でも問題となりました。

• 大学の調査は適正ではなく、文科省および自民党の介入疑惑が存在します。

• 校長による「決裁権侵害」主張は大学報告書でも否定されています。

• 県教委による調査依頼、校長の教育次長への転出等は、附属学校への不当な介入と考えています。

• 本件は奈良にとどまらず、全国的な教育統制の問題として位置づけられると認識しています。


(4)今後の課題

• 大学によるカリキュラム点検が継続しており、学校運営の自由度が十分に回復していない状況があります。

• 大学が発表した附属小学級減は、国立附属学校の縮小政策の一環である可能性があります。

• 事件の本質的課題は未解決であり、継続的な取り組みが必要です。


(5)今後の取組方針(総会にて承認)

1. 守る会は解散せず、附属小に残された課題の解決に取り組みます。

2. 「学習指導要領体制」による統制に抗し、自主的・創造的で豊かな教育実践を支援します。

3. 文科省・教育委員会・政党による不当な支配を許さず、子どもたちを主人公とした民主的な学校づくりを研究・推進します。

4. 会員内外の知恵を集め、柔軟に方針を議論しながら活動を継続します。

5. 報告集(2026年5月刊行予定)を編集・出版し、全国へ発信します。


5.会計報告

• 収入:2,519,733円

• 支出:1,650,511円

• 残高:869,222円

主な支出はパンフレット印刷費、会場費、通信費、弁護費用等であることが報告されました。


6.報告集編集委員会より報告

• 「報告集」書籍化の意義は、事件の記録、当事者の手記、支援者の経験を残すことです。

• 社会的意義を明確化し、今後の運動の基盤とします。

• 構成案:4章立て、執筆者30名。

• 発行予定:2026年5月(喜楽研より出版)。


7.討論と採決

・ 議案に対する討論と採決が行われました。


主な意見

• 全国的な教育統制の強まり(大阪の例など)。

• 子どもを中心にした教育の重要性。

• 現場の授業がプリント中心になり、学びが痩せている現状。

• 不登校増加と授業の質の関係。

• 方針案に「子どもを主人公とした教育」を明記すべき。

• 附属小の歴史と先輩たちの実践を継承すべき。

議案修正

• 方針案③に 「子どもを主人公とした」 を追加。

採決

• 拍手多数により、議案は承認。


総会議案と資料は下記のとおりです。




附小裁判終結報告集会


1.開会のあいさつ(守る会会長)

• 裁判終結は大きな成果だが、大学は謝罪せず、対応不十分です。

• 子ども・教職員・保護者が最も傷つきました。

• 附属小の課題は依然として残っています。

• 守る会は今後も支援を継続します。


2.裁判終結報告(弁護団)

• 出向命令は労働者に不利益であり、大学側の法的根拠は乏しかったことが説明されました。

• 和解により、教職員の希望・健康配慮、不当な情報提供の認定など重要な成果を獲得したことが報告されました。

• ただし、文科省介入など事件の本質的問題は裁判の枠外であり、今後の社会的検証が必要であると述べられました。


3.原告教員の発言

• 出向による心身の負担は大きかったものの、復帰後の授業で回復を実感しているとの報告がありました。

• 職場は混乱したものの、「子どものために学校を守る」という思いで踏みとどまったことが共有されました。

• 学級減など新たな課題への継続的支援を求める声が上がりました。


4.職場教員からの発言

• 出向後の職場は混乱し、教員は疲弊していました。

• それでも「子どものために学校を守る」という信頼で踏みとどまりました。

• 裁判の勝利的和解は大きな励ましです。

• しかし、学級減など新たな課題が続きます。

• 引き続き支援を求めたいと思います。


5.守る会からの発言

• 和解は「勝利的和解」と評価したいと思います。

• ただし、教育課程問題・文科省介入など本質的課題は未解決です。

• 守る会は解散せず、全国的課題として取り組みを継続する方針です。


6.勝たせる会あいちより発言

• 学習指導要領の法的性格の問題は全国的課題です。

• 附属小の教育は全国の教育実践にとって重要な財産です。

• 今後も連帯して取り組みたいと思います。


7.会場参加者からの発言

2名の方から以下のような発言がありました。


・大学の自治はどこへいってしまったのかという思いです。

・大学人としての知性や矜持、教員養成が劣化してしまっているのではないでしょうか。

・教育現場は、ますます学習指導要領原理主義のような教育指導が行われています。

・改めて「教師のしごと」とな何なのかが問われています。

・人間として、唯一の大人として子どもの前に立つ教師としての誇りをもって仕事にあたりたいです。


・今回の裁判は「人間裁判」という言葉に共感しました。

・専門職労働者の権利を守る取り組みであったと思います。

・2004年の国立大学法人化以来、文科省は、「選択と集中」によって大学を管理してきました。

・2015年の学校教育法改正により、教授会の権限が小さくされ、その後、教育大・学部への教育委員会の権限が拡大してきました。

・「ガバナンス」が強調され、学長が何でもできるようにされてきました。

・今回の事件は、構造的に起こるべくして起こった事件だと感じています。


8.閉会あいさつ

• 原告教員の「これはみんなの裁判だった」という言葉が紹介され、

附属小の教育を守る取り組みを今後も継続していく決意が述べられました。


以下は、奈良教育大教職員組合連合からのメッセージです。


 
 

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