私は小学校の教員になってすぐの頃から、奈良教育大学附属小学校の先生方と一緒に国語の勉強をしてきました。この国語の会では、子どもたちが文学作品をどう読んだのか、何を感じたのかを丁寧に聞き取ることを大切にしています。実際に授業をしてみると、思ったことをなかなか話してくれなかったり、話してくれてもこちらがうまく聞き取れなかったり…いつも苦戦してしまいます。
附属小学校の研究会でのこと。「ごんぎつね」を読んで思ったことを子どもたちが次々と話していました。教室はとてもリラックスした雰囲気で、子どもたちの自然な言葉があふれています。後ろで聞いていた私まで「私はこう思う!」と話したくなるほど。
すてきな授業でした。
すてきな子どもたちでした。
自分の言葉を丁寧に聞き取ってくれる学校で子どもたちは、のびのびと育っているように私には見えます。教材に真剣に向き合っているように見えます。それは、先生方が子どもや教材に対して誠実に向き合ってきたからこそ。
奈良教育大学附属小学校の指導は、「不適切」なんかじゃない。とても誠実だと思います。